アキレス腱はふくらはぎの筋肉と共に、ランニング中の動作に深く関わっています。
かかとの着地後に足の前部を地面につける動きや、反対側の足が着地する直前につま先をけり出し、かかとを上げる動きを担っています。
下り坂では、足の前部を地面につけるまでの動かす距離が長くなるため、アキレス腱により多くの負荷がかかります。
上り坂では、けり出しの際にかかとを上げるために、ふくらはぎの筋肉は平地での運動時より大きな力を出す必要があります。
その為、やはり負荷がかかります。
ヒールカウンター(靴の後部のかかとを包む部分)が柔らかい靴をはくと、靴の中でかかとが必要以上に動いてしまいます。
それによって、不均衡な負荷がかかって断裂を起こしやすくなります。
底が硬い靴をはくと、足指の付け根が曲がらないため、つま先がけり出す直前にアキレス腱にかかる負荷が大きくなります。
このように、アキレス腱の痛みを引き起こす原因は様々です。
治療の仕方も、考えられる原因や損傷の素となった状態によって異なります。
アキレス腱炎は、腱にかかる負荷が腱の強さを上回ったときに生じます。
主な症状は、じっとしていた後に動きを始める時に最もひどく痛みます。
痛みやこわばりがあっても、歩いたり走ったりしているうちに痛みは軽減します。
これは、動きとともにアキレス腱を包むさやの温度が上昇して柔軟になり、腱が動きやすくなるためです。
痛みを無視して走り続けていると、しなやかだったアキレス腱はやがて硬い瘢痕組織で占められてしまいます。
それによって、運動している間も絶えず痛むようになります。
こうなってしまうと、回復の見込みが低くなります。
症状を悪化させない為にも、痛みが続く間はランニングや自転車こぎを控えるようにしましょう。
また、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。
アキレス腱の断裂は、小さな傷が腱に入り、弱くなったためではないか、といわれています。
また、通常より、筋肉の収縮が大きくなったり、年齢による柔軟性の低下や運動不足なども原因になります。
誰かに蹴られたり、ボールが当ったような強い衝撃を感じたのにボールが無い。
見回したところ刺激を与えるような人が誰もいなかったら、断裂を疑いましょう。
急激に、立っていられない位強い痛みを感じる場合もあります。
歩ける程度の軽い痛みでも、つま先を上げ下げ出来なかったり、腱を触って断裂しているか確認しましょう。
治療には、手術療法とギブスによる療法があります。
ギプスによる療法の最大の利点は傷が残らないことです。
ただし、手術療法の方が通常の生活に早く戻れ、アキレス腱機能の回復も良好です。
普段から、つま先を反らすなど、アキレス腱を柔軟にするトレーニングを心がけましょう。